むし歯の部分を埋める方法として、白い詰め物(コンポジットレジン)を使用する方法があります。
今回はこの白い詰め物(コンポジットレジン)のやり方について説明します。
まず最初に、むし歯を取り除いた歯の穴の部分と、むし歯でない歯の部分との境目のエナメル質にエッチング剤を塗布します。
エッチング剤
エッチングをすることにより、エナメル質の表面が粗造(白く白濁した感じ)になり、歯の詰め物の接着力が高まり外れにくくなります。
次にボンディング剤を塗布します。
ボンディング剤を塗布することにより、歯と詰め物を化学的に接着することができます。
ボンディング剤には各メーカーからいろいろな種類の物が販売されています。1液性のものと2液性のものがあります。
今回は2液性のものを使用します。各メーカーの使用方法に従って使用していきます。
ボンディング剤(プライマー・ボンド)
まずプライマーを歯に塗布します。20秒待ってからエアーで水分を飛ばします。
次にボンドを塗布してエアーで乾燥させ、LEDライトの光を照射します。
LED照射器
こうすることによって、歯と白い詰め物(コンポジットレジン)を化学的に接着することができます。
それからコンポジットレジンをむし歯の部分に詰めていきます。
コンポジットレジンにはペースト状のものと流動性のあるもの(フロアブルレジン)があります。
今回はフロアブルレジンを使用します。
フロアブルレジン
フロアブルレジンをむし歯の穴に詰めていきます。LEDライトの光を照射することによって白い詰め物が固まります。
ただし、固まる時にレジンが収縮するので、一度に全部埋めるのではなく、少しずつ埋めていきます。
そうすることによって、すき間ができにくくなり、結果として詰め物が外れにくくなります。
何回かに分けて詰め終わったら、かみ合わせや形態を修正して治療が完了します。
この治療方法の利点は、むし歯の部分だけを削って埋めるので、余計な部分を削らなくてすむことです。
投稿者:加藤歯科医院院長 加藤気白